堤防からの釣りに慣れている人からすると、サーフってあまり釣れるイメージがないかもしれません。
海水浴へ行ってもそんなに魚が見当たりませんからね。
浅瀬に魚影がひしめく絵を想像するのは難しいかもしれません。
しかし、サーフでしかできない釣り・サーフだからこそあふれるロマンがあるのです。
堤防や磯と比較したサーフという地形
コンクリート壁のそびえ立つ堤防、荒々しい岩肌の連なる磯。
そうしたフィールドと比べて、サーフは縦（高さ方向）の地形変化に乏しいポイントです。
人間にとっては広くなだらかで足場が良いものの、魚にとっては身を隠す場所が少ないという他とは特性の異なる面があります。
また周囲より浅く波も立ちやすいので、水温変化が大きくなりやすいという特徴をもってます。
サーフで釣るにはサーフ専用の装備と知識が必要なのです。
サーフは魚が少ない！？
「サーフは魚影が薄い」というイメージの人は結構いると思います。
私の釣り仲間も、私が強引にサーフフィッシングに誘うまではそんな認識でいたようです。
確かに海水浴場を思い浮かべると、そこで釣りをしようとはあまり思えないでしょう。実際、釣りのターゲットとしての魚種は磯や堤防に比べて豊かとは思っていないです。
ただし、一概に「魚影が薄い」とは言えません。
サーフという地形は地下から淡水が湧き出る場所でもあり、背後の陸や草木から養分が流れやすい場でもあります。そこへ集まるゴカイやアミエビなどの小動物、その小動物を求める小魚たち。このようにサーフでは生物多様性がしっかり育まれています。
実際、夏に海へ潜って駆け上がりを見ると、シロギスや磯系の魚の幼魚が数千匹単位で群れているのを何度も目にしました。
そして、マヅメ時や夜間は警戒心の薄れた大型魚が回遊してきます。
サーフの釣りのメリット① 場所が広い
堤防は場所の取り合いが激しく、キャストのたびに気を使いますよね。
でもサーフではそんな心配はいらないです。
広大なフィールドでは、隣のファミリーやエギンガーを気にすることなく仕掛けを投じることが可能です。最近増えている釣り禁止区域とは無縁なのも良いところです。
また、ちょっと休憩したい時に浜辺を行き来したり、銀マットを持ってきて寝転んだりなんてこともできちゃいます。
ストレス因子が少ないのはこの上ないサーフの長所ですね。
サーフの釣りのメリット② 根掛かりが少ない
これはポイントによるかもしれませんが、基本的に砂地なので不意の根掛かりは少ないです。
海底ズル引きもそこまで怖くありません。
また陸地側にも岩場や係留ロープのようなものがないので、キャスト前に針がどこかへ引っ掛かってしまうというような事故も少ないです。
サーフの釣りのメリット③ ランディングネット不要
サーフの釣りではタモ網を使うことはありません。
大型魚も波打ち際まで引き上げてしまいます。
慣れてくると、波に乗せて大型のヒラメを寄せていくという技も使えてきます。
また、地形上最後に根ズレを起こすことが少ないのも大きなメリットと言えるでしょう。
サーフの釣りのメリット④ 漁船が通らない
特に堤防での釣りは行き交う漁船にものすごく気を使うと思います。
その点、サーフでは目の前を漁船が横切ることがほとんどないですから、不意のロストや漁師さんとのトラブルを回避することができます。
私は10年ほど前に堤防釣りで漁船の前に仕掛けを投じてしまい、船長さんから叱られました……泣
しかしモーターにラインが巻き付いて壊したりすると何十万の損害になりますから、怒られるのも当然です。損害がなかったのが不幸中の幸いでした。
サーフの釣りの面白さとは？
私はサーフを専門に何年も釣り歩いていますが、未だにその魅力に取りつかれています！
広大な砂浜に立ち思いっきり仕掛けをキャストするダイナミックさ。
海底に仕掛けを這わせ地形を読み取っていく繊細さ。
波が砕け砂のぶつかる音、潮流の変わる瞬間、そして浜から魚を釣り上げる快感！
堤防では味わえない釣りの魅力が、サーフにはあふれています。
皆さんも是非、サーフフィッシングにチャレンジしてみてください。
参考
日本自然保護協会, 2023, 「浜を読む② ～サーフゾーンの魚たち～」, 話題の環境トピックス
(2023年9月6日取得, https://www.nacsj.or.jp/2022/09/31920/)