サーフでの釣りは飛距離が勝敗を分けることもしばしばです。
より遠くへ仕掛けを飛ばそうとするなら、ロッドだけでなくリールも遠投が得意なものを買いそろえたいと思うものでしょう。
この記事ではサーフの釣りにおけるリール選びの根本をお伝えしたいと思います。
遠投用リールの強みとは?
投げ専用リールは飛距離に特化しています!
その秘密はリールのスプール径とストロークにあります。
スプール部分の表面積がとても広いので、スプールの溝の深さは他のリールより浅いです。
この構造のおかげで、放出される糸はスプールのエッジ部分と擦れにくくなり、エネルギーの損失が減ってより飛距離を伸ばすことができます。
なおこの記事を書くにあたり、実際に飛距離の差を測ってみました!
測定方法:リール以外は同じ条件として、投げ専用リールと6,000円程度の汎用リールでそれぞれ5回ずつキャスト。投げ専用リールで飛ばす距離が100mになるよう力を調整し、汎用リールも同程度の力で投げるようにしました(フルキャストより発射角度などの調整が容易なため)。
結果、投げ専用リールの平均飛距離がおよそ99mだったのに対し、汎用リールは87mでした。ものすごく大雑把に考察すると、だいたい1割程度は飛距離が変わってくるものと思われます。
遠投用リールの選び方① スプール径とストローク
スプール径とストロークは大きいものほど遠投には有利です。
ただし大きいほど良いかというとそうでもありません。
スプールが大きくなる=リールが重くなる ということを意味しますので、腕の力に自信のない方やキャスト回数の多い釣りをされる方は、控えめのものを買う選択をするべきでしょう。
遠投用リールの選び方② 糸巻き量
糸巻き量は必ずチェックすべき要素です。
200m遠投しようとする人が200mしか巻けないリールを買うと、長さが足りなくなります。
想定飛距離より50mは長く巻けるものを選ぶようにしてください。
なお業者さんの表示している最大糸巻き量はあくまで最大ですので、実際には表示ほど巻けないケースが多いです。やはり糸巻き量は余裕をもって選択してください。
遠投用リールの選び方③ 自重
遠投用リールの重さは製品によってかなり差があります。
自分の釣りにあった重さのものを選ぶようにしましょう。
例えば頻繁にキャストする釣りを重たいリールで続けるのはかなりしんどいです。笑
持ち竿なのか置き竿なのか、釣行時間はどれくらいかetc
色々加味したうえでベストのものをチョイスしてください。
遠投用リールの選び方④ ドラグ機能
遠投用リールの中にはドラグ機能を備えているものといないものがあります。
ドラグがないことのメリットは、その分だけリール自重が軽くなっていることです。
メインターゲットがシロギスなど小型の魚の場合は、ドラグが必要な場面は無きに等しいので、ドラグのないリールのほうが無難でしょう。
反対にマダイやタマミなど大型の魚がターゲットの場合、置き竿がメインの釣り方になると思います。竿を引きずり込まれないため、魚にエサを食い込ませるためにドラグは必須級の機能になります。
なおクイックドラグと言ってわずか1回転でドラグ強さを調整できる機能が搭載されているモデルもあります。実釣ではかなり便利なので、サーフの釣りにハマった方はぜひご検討を!
遠投用リールの選び方⑤ ギア比
ギア比とはパワーとトルクの関係を示したものです。
機械に興味のない方は聞き馴れないかもしれませんが、大雑把に言うとパワーは最高速、トルクは加速力を意味しています。
ギア比が5.5なら、ハンドル1回転で中のローターが5.5回転します。この値が大きいほどパワーが強くなり、小さいほどトルクが強くなるのです。自転車のギアチェンジでペダルが重くなったり軽くなったりするのと同じです。
投げ釣りでは専らギア比の低いローギアのもの、つまりトルクの強いものが好まれます。
その理由は、投げ釣りにおいては仕掛けを高速で動かす必要性が薄く、重たい仕掛けを楽に回収することの方が重要だからです。
ただし同じ投げ釣りでもターゲットや釣法によってはハイギアが有利に働く場合もあります。
汎用リールを使ってもいいのか?
遠投用リールの選び方を確認しました。
ただもっと根本的な話、「遠投用リールじゃないとダメなのか」と思う方も大勢いらっしゃるでしょう。
私個人の考えですが、汎用リールを使うのは全然アリです。むしろ私も積極的に使用しています。
遠投用の重たいリールはどうしてもスタミナを削り、長時間の釣りやキャスト回数の多い釣りになるほど不利です。
なので、飛距離を重要視しない場面では汎用リールを導入しています。
投げ竿ルアーなんかでは必ず安い汎用リールを使用しますね。
リールの選び方ひとつで考えることはたくさんありますが、何万円の買い物になりますので、よく検討しないと大損を食らうハメになります。ゆっくり考えて自分に合ったリールを購入してください!