投げ釣りにおける力糸の必要性 力糸なしの投げ釣りは可能か? 力糸なしのラインシステム

ライン




投げ釣りをする人の多くは道糸の先に「力糸」と呼ばれるテーパーラインをつけてキャストしていると思います。

重たい仕掛けを遠投する時のエネルギーは結構なもので、仕掛けをブチッといわせないためにも力糸を結ぶのが合理的であるのは分かります。

けれどもこれが面倒で、結束に時間はかかるし巻取りが緩いとライントラブルが起きるし……と、できれば使いたくない人も多いのではないでしょうか。

この記事では力糸の 必要/不要 について論じたいと思います。



ショックリーダーと力糸は違うのか?

ジギングなんかではPEラインの先にナイロンラインを結んでキャストしてますよね。

あれはショックリーダーと言って、主に根ズレによるPEラインの切れを防ぐ役割・PEラインと金属部の結合の弱さを補てんする役割・ナイロンの伸びでヒット時の衝撃を和らげる役割を持っています。

しかし、ショックリーダーと力糸は根本的に違います。

投げ釣りでは重たいおもりをキャストした瞬間、道糸が衝撃に耐えられずブチっと切れてしまいます。そのパワーに対抗する目的で力糸を結んでいるのです。



キャスト時にどれくらいの力が働くのか?

投げ釣りのキャスト時にかかる力はかなりのものです。

具体的には物体の放物運動の初速を求めることで算出ができます。

しかしその数値を正確に導出しようとすると、おもりの受ける空気抵抗やその係数を導く必要があり、超複雑な計算(微積とかテイラー展開とか)や現場での空気抵抗係数の算定までしなければいけませんので、あきらめました笑

一応、ハンマー投げとか投石器の物理計算(これでもまだ簡単なほう)を使っておもりの初速を算出すると、およそ150~200km/hの範囲におさまることは分かりました。
※おもりの発射角度45°、竿の長さは4m、陸地と海面の高低差は1mを前提にしています。
 具体的な計算記録を記すとそれだけで記事が終わるので、省きます。笑

では初速を仮に180km/hと仮定します。その時におもりがもっているエネルギーを求めました。

15号(56.25g) …… 10.2kg

20号(75.0g) …… 13.5kg

25号(93.75g) …… 16.9kg

30号(112.5g) …… 20.25kg

こんな感じです。

「おもりが30号だとナイロン12号(強度18kg)でも耐えられないじゃないか!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、ご安心ください。
ナイロンの場合は伸びがありますので、結束部分だけでこの力の全てを受け持つわけではありません。力糸全体でこの力を吸収しているんです。

なおPE力糸の場合は伸びがほとんどないですが、PE5号でも36kgの耐久があります。したがってナイロン力糸よりも根本的に強度が高めに設定されていると考えて下さい。



力糸を使うデメリット

圧倒的な重さの仕掛けをキャストする以上、力糸なしで投げ釣りを語ることはできないでしょう。

しかし、使うことで以下のようなデメリットも生じます。

  ・そもそも安い買い物ではない

  ・道糸との結束に時間がかかる

  ・道糸との結び目がガイドに絡み、ライントラブルを起こすことがある

3つ目のライントラブルは、投げ師であれば誰しも体験したことがあるでしょう笑

キャストした瞬間に何か引っかかった感じがあって、仕掛けを回収するともう最悪! 結び目を中心に道糸がぐちゃぐちゃーとなってしまってるんです。複雑に絡んでる場合は腹が立つので、いっそう道糸を切ってしまうことも笑



力糸を使わない投げ釣りもある!

では力糸は必ず使わないといけないかというと、そうでもありません。

キャスト時にラインが受ける力は、

  ・おもりの重量

  ・竿の長さ

  ・竿をどれくらいの力で振るか

などによって大きく変わってきます。

つまりそこまで飛距離を求めない釣りなら、おもりを軽くしたりフルキャストを控えたりすることで、ラインの受ける力を減らすことができます。もっと言うと力糸を使わないで済むんです。



力糸を使わないラインシステム

力糸を使わないラインシステムは、道糸直結と短いショックリーダー使用の2パターンがあります。

道糸直結では、そもそも道糸に強度の高いラインを使用します。

私はサーフでマダイやコロダイを狙う際、道糸としてナイロン7号を使用し25号天秤に直結しています。これならある程度力をこめてキャストしても切れません。たぶん30号フルキャストでも切れないんだろうな~とは思っていますが、それはそれで回収が重たくなりますしやってません笑


ただ道糸にどうしてもPEラインを使用したい人もいらっしゃるでしょう。この場合は太いPEを巻いておもりに直結する方法もありますが、私はショックリーダーとしてナイロンラインを1mほど結ぶ方法を採用しています。この方法ならキャスト時に結び目はガイドの外ですから、糸絡みの心配はありません。
実際に私は道糸にPE1.0号、その先にショックリーダーとしてナイロン10号を使用していますが、25号天秤を繰り返しキャストしても切れたことはないです。


(ちなみに)力糸はナイロンか?PEか?

力糸のことを概説しましたので、ついでに力糸の選び方も載せておこうと思います。

種類はだいたいナイロンかPEの2択です。

結論から言うと、そこまで飛距離を求めない限り私はナイロンラインをおすすめします。

その理由は、冒頭のショックリーダーの説明に通じるところがあります。

 ・根ズレに強くなる

 ・ヒット時の衝撃を吸収できる

 ・何より安い!

ナイロンは空気抵抗も大きいですし結び目も大げさになりがちなので飛距離は犠牲になりますが、こだわりがないなら十分な性能とメリットをもっています。



色々と書きましたが、投げ釣りをやるなら力糸の知識は必須です!

ただし釣り場で「力糸がなくなった!」なんてこともあるでしょうから(私は10回以上経験してます笑)、力糸を使わない釣り方もできると困った時の対処ができるでしょう。



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